2018年6月9日
異世界に転生したと思ったら同じ世界で防衛軍で出会った美人大元帥の下から離れたくないから死ぬ気で戦う事にしたシーフードです。
ホールケーキを飲み込んで転生しかけた私は普通に目を覚ました。
外が明るい、あのまま気絶してしまったのか。
良かった、転生してなくて本当に良かった。
シーフード
「知らない天井だ」
ガッシ!ボカ!
ツイートした瞬間何かで頭部を殴打された。
アタシは死んだ。
シーフード
「スイーツ笑」
大元帥
「うわ、笑ってるよ、きめぇな死ねよ」
凹んだ頭部をさすりながら起き上がるとワインボトルを手にした大元帥が苦い顔でこちらを見ていた。
シーフード
「これは大元帥殿!ここは?」
大元帥
「その呼び方やめろ殺すぞ
ここは防衛軍の医療テントだよ、誰かさんがケーキを丸呑みして死にかけたんだよ。」
シーフード
「へぇ、とんでもない奴がいたもんですね!
一切れくらい分けてくれればいいのに!
ところで、その包帯は何です?ヤヨイさんのコスプレかなにかですか?」
彼女は身体中包帯だらけだった。
察する事は容易だ、屍の軍団と戦ったのだ。
大元帥
「ちげーよ、だったらアンクの1つでもよこしやがれ。」
軽口をたたいているがかなり無理をしているのだろう、いつもの笑顔がない。
ボヤけていた頭がスッキリしてきた。
テント内には負傷した沢山の仲間達がいた。
皆治療を受けている。
シーフード
「この様子だと昨日は激戦だったようですね、みんな大丈夫だったんですか?村は?後お腹が空いたので何か食べさせて下さい。」
大元帥
「俺たちは大丈夫じゃねーが村は大丈夫だ、飯は我慢しろ、あいつらの治療が済んだらヴェリナードに帰るぞ。」
シーフード
「帰る!?ツスクルの村を見捨てるんですか!?」
大元帥
「村は大丈夫だって言ったろ、倒したんだよ、アイツらを。」
そう言いながら新しいワインを開け、瓶から直接呑み始めた。
そうか、倒したのか、あの化け物たちを。
そして俺を殴ったのは空のワインボトルか、正気かこの人。
それにしても良かった、若葉の探検隊もヒメア様も村のみんなも無事なんだ。
嬉しさについ顔が緩んでしまう。
大元帥
「ニヤニヤしてんじゃねーよ、お前は何もしてないだろ?帰り、全員の荷物持てよ?」
そう言う彼女の顔も緩んでいる。
そう、倒したのだ、屍の軍団を!
もうこの村が恐怖に怯える事はないだろう。
ヴェリナードに帰ろう。
獅子門では未だ激戦が続いているらしい、次はきっと獅子門だろう、がんばるぞ!
張り切って帰り支度を始めたが、村を出るのは明日の朝早くになった。
みんなツワモノだけどさすがに今日の今日では動けない者も少なくなかった。
夜になると村のみんなが宴の席を設けてくれた、正直、傷に障るので飲まない方がいいのだろうがウチの隊の連中が断るわけがない、何より、大元帥殿と両手剣使いのエルフが断る事を許さない。
半ば無理やり酒を飲まされた仲間達が次々潰れていく。
明日も早いというのに宴は夜中まで続いた。
そして夜が明けなかった。