サクラスピードオー
ダビスタってあるじゃないですか。
あの日、僕たちいつメン4人はいつものようにゆたんぽの家に集まってときメモ(ときめきメモリアル)をやっていたんだ。
虹野さんやろか。
そら虹野さんよ!
僕も虹野さんがよか!
いや片桐さんやかい。
僕もゆたんぽも隠密将軍山下君も虹野さん狙いにしようって言ったんだけどときメモの持ち主である清高が一歩も譲らなかったので僕たち4人は片桐さんを攻略する事になった。
どう転んでも伝説の樹の下に虹野さんがやってくることはない。
ときめかないメモリアルに付き合ってられない僕たち3人は次何して遊ぼうか真剣に話し合っていた。
10代男子は真剣にしゃべっていた。
結果、
ネオジオCD2票
スーファミ1票
僕とゆたんぽが餓狼3かKOF95のどちらをやろうか、そんな話をしていると隠密将軍山下君が
ちょっと待ったコールをかけた。
「あのさ、ダビスタっち知っちょ?」
今でも忘れないこの言葉。
本当に言ったかどうか怪しいこの言葉。
彼は続けて告白した。
「実は馬が好きで競馬を見てて牧場に放牧できた競走馬を見に行ったりしちょったとよ。
ダビスタは競走馬を育ててレースに出すゲームでおもしりーから1回やってみらんねよ?」
普段は控えめなあの隠密将軍山下君がそこまで言うのならばと僕たちはスーファミのダービースタリオン96を始める事にした。
96だったかな?
たぶん96。
名前を付けられるから馬の名前考えておいてね、と言われたので僕とゆたんぽは考えた。
ゆたんぽはアスカにすると言った。
エヴァのアスカが好きだからと。
彼女の名前が明日香だからだろなんて野暮な事を言う奴は1人もいなかった。
さて僕は何にしようかと悩んでいると隠密将軍山下君が例を出してくれた。
「サクラ〇〇オーみたいな感じでつけたらよかよ、サクラユタカオーとかサクラバクシンオーとかおるとよ」
なるほどね!
そして僕が付けた名前がサクラスピードオー。
かっこよくて速そうな名前。
初めてのダビスタ。
うまく育成できなかったサクラスピードオー。
後で実在する馬だと知って運命を感じたサクラスピードオー。
いつメンがいつメンじゃなくなって競馬も見なくなってダビスタもやらなくなってから忘れてたよ、サクラスピードオー。
もう会えない所まで駆けて行ったサクラスピードオー。
1番強い馬は?って聞かれたらナリタブライアンと返すだろうけど1番好きな馬は?って聞かれたらこれまでもこれからもサクラスピードオー。
速くてかっこいい馬なんだ。